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元島生

詩・文章・音源・あれこれ

黒い点

黒い点を見ている あれはゴミだろうか 何かのシミだろうか 僕は横を通り過ぎる 糸くずの固まったものだ 拾う事は出来る さっと拾ってゴミ箱に入れることは 何の造作もないことだ だけど なぜか それができない 視界に入れながら 何度もそこを行きすぎる ここ…

摘む

早めに帰ったら、娘の友達が遊びにきていた。 帰るというので、散歩がてら送って行った。 光がきれいで春を思わせたが、まだ寒かった。 空き地でつくしを見つけたので、摘んで帰った。 つくしがあると僕が言うと、「あーほんとだ!」と宝物でも見つけたよう…

寄り道

ちょっと寄り道をした 屋上から夕陽を見た その時に僕は見つけた 柔らかく光る 屋根の間に 風に揺れる 娘の髪に 幼い頃 祖父が 電車の通る時間に 線路沿いまで連れて行ってくれたこと 両親と街にウインドーショッピングしに行く予定だったのに 時間がないか…

10000年前からの手紙

100年前 海を越え 半年かかって届けられた手紙は 今朝 僕の右手の中で送られて コーヒーを淹れ終わるより早く返事が来た 1000年前 竹から生まれた美しい娘が帰っていったという美しい月には 何もなかったとTVは告げた 僕は今 縄文土器を手に持って…

何もかも新しくなる世界に

風邪をひいた 僕はヘッセを読んでいた 子どもの精神世界を犠牲にして 世界は先を急いでいる 100年前の警告は それさえも消費され消えていくようだ 難しい顏をしていただろうか ページをめくっていた僕のそばに のはらがやって来た パパ風邪ひいたからかわい…

ふるさと

ふるさと 新幹線がふるさとを出る生きているみなさんも死んでいるみなさんもこころ穏やかにありますようにと目を瞑る

箱の中

箱の中 東京は箱の中のようだ四角い箱の中で うろうろウロウロ朝が来たり夜が来たり生まれたり死んだり 誰かに飼われているのかもしれない飼育籠の中で 僕らは四苦八苦しているのかもしれない鑑賞するとしたら こんなに面白い生き物もいないだろう「お、暴動…