元島生

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「鬼になる気はあるの?」

 唐突に言われ、僕は箸を置いた。

平和な朝食中に、苦難はやってきたのだ。

人生には、鬼にならなければならん時も、あるのだろう。

腹を括り、妻を見据えた。

 「何があった」

そう聞くと

 「ゆいが節分の豆まき楽しみにしてるの」そう言うのだった。

そこで私は腹を決め、娘を見据えた。

そして心を鬼にして、言ったのだ。

「人に豆を投げつけるとは何ごとだ」