元島生

文章・音源・詩・活動・いろいろ

黒い点

黒い点を見ている

あれはゴミだろうか

何かのシミだろうか

僕は横を通り過ぎる

糸くずの固まったものだ

拾う事は出来る

さっと拾ってゴミ箱に入れることは

何の造作もないことだ

だけど なぜか それができない

視界に入れながら

何度もそこを行きすぎる

 

ここは大浴場の脱衣所で

僕は清掃員

それを拾う事は 僕の仕事で

何の造作もないことだ

だけど なぜか それができない

 

人の汗の染み込んだタオルの束を 担いだあと

髪の毛や 剥がされたシップを 手で掴んだあと

びしょびしょに汚れたトイレを 膝をついて拭いたあと

僕はそこを通り過ぎる 

まるで 

一人息子がそこで遊んでいるのを ふと確認する母のように

そっと目をやり また 立ち働く

とても大切なものが  ちゃんとそこにあることに

安心でもするかのように

 

他人の汗で重くなったサウナマットを

汗をたらして 片付けながら

ふと思い出したりしている 

 

あの糸くずは

誰だったのだろうかと

 

 

家族で旅

ミキの将来の夢。忍者。

ずっと行きたがってた忍者村

長時間の移動は、いつもぐちゃぐちゃになるけど、わくわくのおかげで、楽しく過ごせました。

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必死についていく、のはら(笑)
ハラハラでした。

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 慎重なユイと、突進するミキ。

 

キャラクターに似ているのはら。

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帰りの車で3人爆睡。久々に遊びつくしたという感じ。

「連れてきてくれてありがとう!」と素直に喜ぶ子どもたち。

こんな素直に表現する姿は、久しぶりに見た気がしました。

「ありがとう」が自然に出てくるような環境にないのに「ありがとうと言いなさい」とは教えなければならない。

日常は、そういうことの方が多い気がする。

ありがとうを形式で教えるだけでなく、心からそれが出てくる機会を作ることも大事だなと。

そういう機会が、案外少ないんだなと気が付きました。

 

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長野の友人のお家へ。

長野を離れて5年経つけど、年に数回行き来がある。

定期的に会いたくなる。

逆に、近くても、何年も会わない人もいる。

ずっと会わなくても、ずっと近くにいるような気のする人もいる。

人の関係は様々。

りょうたさんは最近、新しいアルバム出して、それが景色のようなアルバムで、とても良かったsasakiryota

唄ってもらって、子どもらも、思い出すようにそればかり聞いている。

出してもらった絵具で、ポストカードに絵を描いたのが面白かったみたいで、帰ってからも絵具を買ってもらっていた。

 

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おそらくこれまでの人生で一番通った店。コトバヤ。
https://www.facebook.com/kotobaya.net/

本好きのゆいは、気が付くとどっぷりと本の中へ。

本はいくらでも買ってあげたい。

みきとのはらは、店先で遊んで、陶器の傘立てをしっかり壊してました。

すまん。

 

 

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りょうたさんの実家でもある茶房パ二。

http://www.pani.jp

夫婦にとって大事な場所の一つ。

久しぶりに行く場所は、実家でも多少緊張するけど、ここは不思議と落ち着く。

人たちも柔らかい。空気も水も柔らかい。

ここがあるというのは、遠くにいても安心する。そんな感じの場所。

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子どもたちが、魔法使いと呼んでいた佐々木さん。DOKI - 工房土喜

何年か前に話した時「結局みんな自分で自分を苦しめているんだよね」と言って、瞑想のことを話してくれた。

僕はそれ以来、瞑想をはじめ、仏教の思想に大きく影響を受けた。

今回もまた、いろいろと話しが面白かった。

子どもらが行くと、すぐに土を出してくれた佐々木さん。

前日に、すぐに絵の具を出してくれた、りょうたさんと、同じタイミングというか、コミュニケーションの取り方というか。親子だなと思う。

 

 

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 みいちゃんの始めたタイマッサージのお店、ごろん

モンゴルのパオ。鳥の声。山の音。心まで楽になった。

長女は日記にこのパオの事を書いてました。

パオの周りをぐるぐる回って遊ぶ長女は、こどもに戻ったという感じでした。

 

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家族での生活は、楽しい。

でも、家族だけだと、親は親から離れられなくなり、子も子であらねばならない。

長野での時間は、僕ら自身が「親」から離れられたような感覚があった。

子どもたちも、そのことが、うれしかったところもあるのかなと思う。

日常の中にも、もっとそういう時間を作りたい。

もっと僕ら自身が、いろんな人たちと遊ぼう。

旅すると、分かることが多い。 

書けば書くほど

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書けば書くほど、書けるようになる。

読めば読むほど、読めるようになる。

若いころに読めなくて、諦めていた本が、スラスラと読めた。

書けないと諦めていた物語が、スラスラと書けた。

きっとやれないことはない。

やりはじめれば、これから家だって建てられるし、ピアノだって弾けるようになる。

飛び込む勇気と、無心がほしい。

歳をとると出来ない事が増えるのは、余計な事が増えるからだという気がする。

無心になるのが難しくなる。

いつまでもガキで、頼りなく、図々しく、バカバカしいが。

それでいい。

もっと無心になりたい。

 

 

心に太陽を 

心に太陽を 

作詞作曲 元島生

苦し紛れの嘘は  ドブに落ちて 川を流れてしまって

海から雲になって  雨を降らして 今 僕の頬を濡らした

誰かを恨むなら 深い森に迷い込んでいくようで

誰かを憎むなら  底なし沼に いつの間にか 

だから

心に太陽を 雲を晴らして 全部忘れてしまって

心に太陽を 雲を晴らして 全部無くしてしまって

「生きていく」ということは 一人ぼっちで歩いて行くということで

例えばこれから 暗い闇に突き落とされてしまっても

あの雲の上には 太陽がしっかりと控えているからさ

雨だろうが 風だろうが 闇だろうが 地獄だろうが 行くのさ

心に太陽を 雲を晴らして 全部忘れてしまって

心に太陽を 雲を晴らして 闇を晴らしてしまって

心に太陽を 風を吹かして 全部無くしてしまって

心に太陽を 全部忘れて 全部忘れて 歌って

 

 

バンド

3ピースバンドのジャケ写みたい。

長女は最近RAPにハマってます。

必死に覚えてます。

リズムとか言葉が面白いみたいです。

子どもとバンド組めたらいいなと。

次第に老若男女集まったら面白そうだなとか。

子どもが子どものうちに、面白いことやっていきたい。

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子守ストレス

子守は疲れる。

散らかすわ、ケンカするわ、人のせいにするわ、イジワルするわ、言い訳するわ、飛び出すわ、ケガするわ。

こっちはというと、イライラするわ、ハラハラするわ、怒るわ、悲しいやら、抑えたり、抑えきれんかったり。

ほとほと、疲れ果てて、部屋に籠る。

しかし、子どもはなんのその。

ケンカして、泣いてたかと思うと、次の瞬間には、笑いあっている。

怒られて、泣いていたかと思うと、すぐにケロっと、話しかけてくる。

僕ばかりが、イライラを、修正出来ず。

疲れを、回復出来ず。

沈んだまま。

話しかけられても、空返事なんかして。

目を開けるのも、億劫なほどで。

本来、子どもは子どもで、勝手に遊んでおればよいので、子守とは、多大なストレス。

あまりにも、世界が違うのだから、遊んでる時くらい、別世界でよい。

放っておいてよい環境が、実はあまり無い。

なぜこんなに疲れているか、書けば分かるかなと思ったけど、疲れすぎて思考が働かん。

僕自身楽しめる時もあるが、絶望的に疲れる時もある。

何やろ。ようわからん。

 

小さい朝

最近は、まだ薄暗い時間に起きる。

冷たい水で顔を洗い、洗濯機を回して、みそ汁を作っておく。

そうして部屋に引っ込んで、ストーブに薬缶をかけ、こたつに入る。

パソコンを立ち上げ、文章を書いたり、本を読んだりする。

お湯が沸いたら、コーヒーを淹れる。

ゆっくり飲みながら、また書いたり読んだり、たまに、ギターを弾いたりする。

チッチッチと鳥の声。シャーっと水の音。

ドタドタ、バタバタ、着替えなさーい。

音が増える。

僕はカタカタ。

ノッていたら、朝食も食べずに篭る。

「行ってきまーす」に「はいよー」と返事をする。

そして家は、静かになる。

僕は部屋を出て、洗濯物を干し、ゆっくり着替えて、出勤する。

いつもの朝。好きな時間。

 

今日は少し違った。

パソコンをカタカタ、本をふむふむ、ギターをポロポロ。

そんな僕の向かいに、長女が座った。

歌詞をふむふむ、歌をラララー、宿題カリカリ。

やがて、みそ汁とごはんと人が、運ばれてきて、ぺちゃくちゃ、もぐもぐ、ガヤガヤ、ワヤワヤ、わはは、わはは。

僕は黙々と書き続けていたが、やがてパソコンを閉じ、ぺちゃくちゃ、もぐもぐ、一緒に笑ったりした。

そしてやがてまた、静かになった。

部屋を出ると、洗濯物は干してあった。

僕はゆっくり着替えて、出かけた。

 

いい時間だったなーと、ふと考える。

朝の時間を一緒に過ごせるのは、あと何年あるだろう。

その小さな時間が、心に残していくものは、なんて尊く、大きいのだろう。

日々はなんて無自覚に、消えていたのだろう。

明日もまた、小さい朝が来る。

子どもらが大人になって、僕らの元を離れても。

彼女たちの朝は、毎日やってくる。

その朝が、幸せであってほしいと思う。

明日も、小さい朝を大切にしよう。

その時間が残すものが、ずっと続きますように。

冷たい水や、キラキラの光や、温かい味噌汁や、洗濯機の音や、コーヒーの匂い。

ドタドタ、バタバタ、ぺちゃくちゃ、もぐもぐ、ガヤガヤ、ワヤワヤ、わはは、わはは。

 

 

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