箱の中
箱の中
東京は箱の中のようだ
四角い箱の中で うろうろウロウロ
朝が来たり夜が来たり
生まれたり死んだり
誰かに飼われているのかもしれない
飼育籠の中で 僕らは四苦八苦しているのかもしれない
鑑賞するとしたら こんなに面白い生き物もいないだろう
「お、暴動が起こった。ちょっとスコープで見てみよう。これは面白いyoutubeにあげてみよう」
なんて やられているのかもしれない
好き勝手に生きればいいのだ
その時々に考える
その瞬間だけが生きているということなのだ
大事な事などありはしない
今日も朝が来たと 箱の中は騒がしい
街路樹も 電車も 足早な人も うずくまるホームレスも
みんな朝を纏って 光っている
四角い箱の中で
何も知らずに光っている