太陽はおなかの中
今日は雨だ。
ちゃーちゃん(のはら)を、幼稚園に送る車中での会話が、何やら心に残るものだったので、書いておきたい。
「ちゃーちゃん、今日は雨だねー」
「雨ってやさしいよ」
「どうして?」
「お野菜を育ててくれるんやよ」
「そうか。じゃ雷は?」
「やさしいよ」
「どうして?」
「みんなを守ってくれるんやよ」
「へー。そうなんだ。じゃ太陽は?」
「やさしくないよ」
「えー?そう?太陽は大事じゃない?」
「太陽はおなかの中にあるんやよ」
のはらは、自宅出産だった。
4歳になった今も、生まれた場所で、寝起きしている。
ママのおなかから、人間が出てくるのを、お姉ちゃんたちは、股を覗き込むようにして見ていた。
その時のことは、誕生日など節々に話題になる。
そういう事が、影響しているのか、どうなのか分からないが。
のはらにとって、太陽はおなかの中にある。
ご飯が入る場所、痛くなったり、ぐーっと鳴ったり、命が宿る場所。
自分が生まれた場所。
「なるほど。そうかもね」
それからカーステのボリュームを少し上げて、二人で唄いながら、幼稚園に向かった。