雑文
眠れない日が続く
布団の脇に置いてあるギターを
仰向けのまま 胸の上に置く
ポロンと鳴らす
胸に弦の響きが伝わる
雨の音が部屋を囲んでいる
唄ができる時は 苦しい時だとばかり思っていた
しかし 本当に苦しい時には 唄はできないのだと知る
苦しくならないように唄があったのだ
弦の音も頼りない
不快な音だ
ただただ懸命に働く蟻は幸せだろう
キリギリスには唄が必要だったのだ
しかしそれらは逃れようのないことで
蟻は蟻として生きる不幸を 日々運んでおり
キリギリスはキリギリスとして生きる不幸を 日々奏でている
そして僕もまた
人間として たったそれだけのことを 長々と書かなければならない不幸を
こうして生きているのだ